2022/10/07
満中陰(四十九日)の法事について
「四十九日が三月(みつき)にわたるとよくない」といわれる方がおられますが、その根拠を調べてみると、浄土真宗のご法義(み教え)とはまったく関係のない「迷信」であることに気づきます。語呂合わせで、「四十九」を「始終苦に、「三月」を「身つき」に置き換えて、「始終苦が身に付く」ので「縁起が悪い」と言われるようになったのです。
仮に、一月(ひとつき)を三十日で数えますと、一月(ひとつき)と十九日で四十九日を迎えることになりますから、月の十二日以降にお亡くなりになられた方は、みな三月(みつき)にまたがり、「縁起が悪い」ことになります。
本来、中陰のお勤めは、遺族が「仏法を聴聞する場」として、仏様から賜る大切なご縁です。初七日にはじまり満中陰に至るまでの毎週のお勤めを、単なる語呂合わせの迷信によって短縮してしまうことは、仏様として導いてくださる故人の「願い」に背を向けることにもなるでしょう。
仏事には、むかしから色々な言い伝えや慣わしがありますが、あくまでも「ご法義(み教え)」が中心です。迷信や俗信、世間体などにとらわれずに、大切にお勤めしたいものです。